秋の鴨鍋

東京に住んでいた時の事です。九州の田舎から出てきた友人と飲みに出かけることがよくありました。

今のようにネットやSNSもなかったので、兎に角飛び込みでお店に行っていました。ちなみに小料理店や中華料理店が多かったです。

若かったのにそのようなお店に入っていたのには理由があります。田舎から出てきてお金もそんなに持っていなかったし、まだ何も知らない東京でしたのでどんな危険があるかもしれないので、安全な所となるとちゃんとしたお店なら料金が記載してあるので危険性が少なかったわけです。

さすがに東京ということで焼酎はすくなく、ビールやお酒がメインでしたが、料理についてはさすが日本の中心地ということもあり、全国の料理がたくさん食べることができました。

その中でも珍しくおいしかったのが鴨鍋でした。秋の寒くなる事に行くとメニューに上がる鴨鍋は良く食べに行きました。行きつけのお店ではなかったのですが、行くところが無い時の選択肢の一つに上がる小さな居酒屋さんだったのですが、季節ごとの料理を出してくれる所でした。

若かったせいもあり、鴨鍋は食べたことがなく少し大人気ぎみた気持ちもあり食べた逸品でしたが、とにかく美味しいお鍋でした(^^)

鴨というとゴムの様に硬いという感じがしていたのですが、そこまで硬くないでした。お蕎麦屋さんなどで頂いたかも南蛮みたいな感じでもなく、鴨肉もちゃんとしたお肉の存在があるお鍋でした。

お鍋も大げさな陶器のお鍋でなく、少しへこんだアルミのようなお鍋に2人分ずつ入ってくるものでした。お鍋に入っているものも鴨のお肉が数枚とおネギとお豆腐だけです。見た目は質素そのものです。

しかし食してみるとそのお肉のおいしい事。豚では無いし牛でも無い。あっさりした味ですが適度な硬さと厚さのお肉でした。ダシはあっさりした出汁で、表面には油が少し浮いていますが濁りは無く、薄い醤油のような茶色ぎみた色のお汁でした。

友人と話をしながら突いて食べましたが、少し寒くなる頃の10月の末から寒くなる時期だけの限定メニューだったので、少し寒く感じた体にはちょうどいい料理でした(^^♪

中に入っているものは少ない料理ですが、季節や独特の触感を楽しめる料理で私たちの冬が来た時の定番料理でした。ただ寒くなるといつでも食べれる料理ではなく、お店に行ったときにあった時はラッキーなメニューだったので、ひと冬に2から3回くらいしか食べれませんでした。

今となれば懐かしい一品です。